21 Sep 2013
高齢者とは,何歳からを言うのでしょうか?
日常会話で使う「高齢者」は,人によってそれぞれイメージが違うと思います。
ですが,法律でいう「高齢者」は,きちんと定義がされていて,満65歳以上の人のことを意味します。
例えば,いわゆる高齢者虐待防止法でいう「高齢者」も同様に満65歳以上です。
したがって,65歳未満の人は,厳密にいえば,高齢者虐待防止法は適用されません。
厚生労働省では,65歳から74歳までの人を「前期高齢者」
75歳以上の人を「後期高齢者」に分けています。
健康保険は,75歳以上になると,全員,後期高齢者医療保険に変わります。
この「高齢者」=65歳以上という定義には,疑問の声をあがっています。
日本老年医学会などは,「高齢者」の定義について再検討を始めたそうです。
確かに,65歳になっても,元気な人,働き続ける人は多いので,
65歳以上をすべて「高齢者」と呼んでしまうことに,
抵抗を感じる人も少なくありません。
私も,法制度に関係ないところで言えば,65歳になったからといって,
高齢者扱いはいけないと思います。
そもそも65歳以上という基準が決められたのは,1960年頃と言われています。
そのころ,60歳以上になる人は5%弱。
つまり,60歳を超えたら長生きだったのです。
しかし,現代では,もはら100歳以上の人が5%程度になっています。
ですから,65歳以上という基準は低すぎます。
私自身は,80歳を境にして考えるのがよいと思います。
しかし,あくまで法制度とは離れたところでの定義です。
例えば,介護保険を利用できる年齢や
高齢者虐待防止法が適用される年齢が,
65歳以上ではなく,70歳以上あるいは80歳以上になってしまったら,
困っている人を助けることができなくなってしまいます。
また,65歳以上を基準とするのは日本だけではありません。
国連で策定し,各国から65歳以上の人の割合(高齢化率)などが公表されています。
ですから,統計上も,日本だけ勝手に年齢を上げるわけにはいけません。
当分の間,「高齢者」は,満65歳以上の方という意味で
使うことになると思います。
「老活弁護士」 大 竹 夏 夫
大竹夏夫
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